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2017年4月4日~9日3カ国若手農民交流(3) コーヒー生産者グループとの交流・その2

2017年4月、フィリピン・ネグロスとラオスの若手農民が東ティモールを訪問しました。テトゥン語(東ティモール)、イロンゴ語(フィリピン・ネグロス)、ラオ語(ラオス)、そして日本語と英語…といくつもの言葉が通訳を介して飛び交いながら、お互いの学びを深めていった一週間となりました。

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歓迎のタイスを受け取る

交流3日目。コーヒー生産者グループのひとつHABURAS(エラウロ村レキサラ集落)を訪問しました。グループのメンバーに限らず、子どもから大人まで多くの人たちによって歓迎を受け、大雨だったため、小学校の廊下で歓迎の歌と踊り(ビドゥ)が披露されました。東ティモールではお客さんを迎えるのに欠かせないタイス(手織物)を一人ひとり首からかけてもらい、フィリピン、ラオスのメンバーともに、嬉し恥ずかしそうです。夜の振り返りでは、皆が「人生でこれほどまでの歓迎を受けたのは初めて!すごく幸せだった」と口にしていました。

堂々と話をするタイ(20歳)

コーヒーとスナックでおもてなしを受けた後には、レキサラ小学校の校長でありグループのメンバーでもあるアントイさんより、レキサラ集落や小学校について説明をしてもらい、それぞれの自己紹介にうつりました。レキサラの人たちは、ラオスのメンバーが全員若い女性であること、特に20歳のタイが自分のコーヒー農園を切り盛りしていることに驚いていました。そのタイから「何故東ティモールでは女性があまりこういった集まりに参加しないのか?」という率直な質問が投げかけられるという一幕も。レキサラのコーヒー生産者たちは少しびっくりしながらも「東ティモールの多くでは、学校を卒業後すぐに結婚をして、子育てにいそがしくなるから」との答えを返していました。女性メンバーも主体的に活動をしていきたい、と準備を始めたところなので、とても良い刺激になったのではないでしょうか。

フィリピンやラオスの紹介を終える頃には、雨が止んだので、レキサラ小学校で昨年から進めてきている学校菜園を見学。学校菜園で日常的に活用している有機液肥のつくり方を見せてもらうことになりました。新鮮な葉と牛糞と水を混ぜ、1週間発酵させて作る液肥については、レキサラ小学校の先生や子どもたちも昨年のワークショップで学んだこと。すでに実践を積んでいて、自信たっぷりに説明をしてくれました。ちなみに、フィリピンでは、乾燥させた糞を堆肥に使うので、そのまま(濡れたまま)の糞を使用することに驚いた様子のフィリピンのメンバー。ラオスのメンバーは、そもそも動物の糞を使って堆肥を作る経験がほとんどなく、においに顔をしかめていました。

液肥のつくり方を実演

パーマカルチャーに興味津々

 

その後、観察した畑は、畝をまっすぐには作らず、ドーナツ型や魚の骨模様であったり、スバイラル状にするパーマカルチャーのアイデアに基づいたもの。フィリピンのジョネルは、この畝の作り方に特に関心を持っていて、のちの振り返りの際には、「自分たちの農場には適していないかもしれないが、近くのハギミット小学校には良いかもしれない。小学生が興味を持ちやすく、農以外のことも学ぶことができる」と話してくれました。

学校菜園の見学後は、集落内を歩いて周る予定でしたが、その前に「みんなでテベ(東ティモールの伝統的な踊り)をしたい」とHABURASのメンバーから提案がありました。フィリピンとラオスのメンバーにとっては、初めてのテベ。国も言葉も関係なく、音楽にあわせてテベを踏みながらみんながひとつになりました。そんな時間を簡単に区切ることはできず…結局、雨が降りはじめたこともあり、集落内を周る時間がなくなってしまったというオチ付きです。

テベを踏んで心の距離が一気に近くなりました!

 

報告:野川未央(のがわ・みお/APLA)

※このプログラムは、公益財団法人トヨタ財団「国際助成プログラム」の助成をいただいて実施しています。