3月19日~24日にかけて『新しいネグロスに出会うツアー』と題したAPLA企画ツアーを行いました。APLA会員以外の人にも呼びかけたこのツアーには6人の参加があり、日頃からAPLAの活動やATJの商品を通じてネグロスとつながっている人、過去にネグロスを訪れたことがあり、再びつながってみたいという人など、みな様々な思いを胸に参加していたようです。まずは前半のATC、バナナ産地訪問とエスペランサでの追悼式典についての報告です。カネシゲファーム・ルーラルキャンパス開所式はその2へどうぞ!
20日はオルター・トレード社(ATC)を訪問。2008年に20周年を迎えたATCの歴史からこれまでの民衆交易の成果、現状について話を聞きました。同社長ノルマさんは、「民衆交易とはグローバルな貧困(課題)に対向するひとつのやり方」と話し、その民衆交易に関わる歴史の中では「生産者と消費者の連帯という関係性の構築が発展のための大きなヒントになった」こと、また「収益だとか数量では計れない南と北、人と人との連帯こそが20年の成果」で、それが「どれだけ自分たちの勇気や力になったか」と20年を振り返りつつ話を聴かせてくれました。 午後はバランゴンバナナ産地のサンフリアンへ。乾季にエルニーニョによる水不足の影響が重なったために、緑の中に茶色が目立つ山の斜面にバナナの木が転々と植わっていました。これまで話を聞いたり説明を受けたりしながら、こんな感じだろうかと想像してとりあえずの理解をしていたバナナの生育や栽培方法を直に目にし、実りある時間を持てました。参加者の中には日頃からバナナを食べている人もいて、バナナの木や管理方法に興味津々。質問を交えながら生産者の説明に耳を傾けていました。
21日はエスペランサで土地闘争の最中に銃弾に倒れ亡くなったジョニー・ガイランさんの追悼式に参列。北部ルソンからも4名が参加し、青年たちが歌を、みなでお祈りを捧げました。大人たちは涙ぐみ、しんみりする場面もあったのですが、小さな子どもたちにとってはどうもピンと来ない様子。分かるようになる時が来れば、話して聞かせてやる大人が出てくるのでしょうか。この地を継ぐ子たちにどうか忘れないで欲しいと思いながらエスペランサを後にしました。
余談ですが、ATC、エスペランサ、サンフリアン、どこでもおいしいごちそうをいただきました。絶対に迎える準備を怠らないフィリピンの人びとの歓迎精神にうれしいやら、おいしいやらでお腹いっぱい。食べ物が合わなくて痩せて帰れるかなという当初の目論見はどこへやら、この際だから全部味見しよ!とばかりにあれやこれやパクついてきました。
《その2》カネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF-RC)開所式へ
報告:松田麻衣子(まつだ・まいこ)