APLA移動カフェの誕生
2014年11月23日、東京朝市アースデイマーケットで、APLAの移動カフェ<P to P Cafe>がついに店開きをしました。昨年からほぼ毎月アースデイマーケットに出店してきたAPLAですが、これまでは物品販売のみでした。しかし、今回は移動カフェ車から温かいコーヒーや紅茶などの飲みものを、マスコバド糖を使った新作ケーキやパプアのカカオをつかったクッキーなどと一緒に提供。素晴らしい秋晴れの中、多くの方に東ティモールの民衆交易コーヒーを味わっていただきました。
中古カフェ車の購入と営業許可の取得
APLAでは、民衆交易の食べものや飲みものを直接味わってもらう場を作りたいという話を常々していました。しかし、お店を持つほどの財政的な余裕はありません。まずは移動カフェで、という話になり、さっそく東京・石神井にあるカフェ「ジミーズパラダイス」に教えを請いに。オーナーの菊池さんは、もともと移動カフェでオーガニックや自然農法などこだわりのコーヒーと食べものを販売されていたベテランです。伺ったその場で「オークションに出ているこのミニバン車、けっこういいし、お買い得かも」との親切なアドバイスをもらい、話は一挙に現実味を帯びることとなりました。実際に営業中の現場でその車を見せてもらった後、購入を決断。菊池さんの確かな目に感謝です!
飲食店営業に必要な食品衛生責任者の資格は、丸1日の講習と簡単な試験を受けることで取得できます。それなりに苦労したのが営業許可書の取得。特に、ポリタンクを連結して40リットルの水が入る容器を作るのに苦心したものの、無事に、都内一円で営業できる許可書を取得することができました。他には持ち運びのできるインバーター発電機や、飲みものの提供に必要な器具一式を新たに購入し、前日に最終の予行演習をして本番に臨みました。
まだまだこれから勉強を
今は手さぐりで営業を始めたばかりですが、これからAPLAならではのコーヒーを淹れて出していきたい。飲料の種類も増やしていきたいし、季節や天候にあわせた独自のメニューも作っていきたい。まだまだ認知度の低いアジアのコーヒーですが、APLAが扱っている東ティモールやラオスの小規模農民が育てた無農薬コーヒー豆の品質は高い。美味しさとともに、生産農家の暮らしの現実や、グローバル化された世界で小規模農業の持つ意義についても伝えていけたらいい。そう考えています。
ミニバンは小さく、小回りが利き、小商いにまさにうってつけ。アースデイマーケットだけでなく、今後はこの小さなミニバンであちこちに出かけて行きたいとも考えています。そうやって民衆交易やフェアトレードの美味しいコーヒーを多くの人に味わってもらえるといい。一杯のコーヒーで話が広がり、APLAがめざしている人と人とのリンケージが広がっていくといい。まだまだ未熟ですが、どうぞよろしくご贔屓にお願いいたします。
市橋秀夫(いちはし・ひでお/APLA理事)
P to P cafe
イベントなどへの出店情報は、ウェブサイトやSNSで随時お知らせします。東京朝市アースデイマーケットには毎月出店中です。
みなさんは「小商い」という言葉を聞いたことがありますか?『小商いのすすめ』(2012年、ミシマ社)の著者である平川克美さんは「自分の手の届く距離、目で見える範囲、体温で感じる圏域でビジネスをしていくこと」だと説明しています。グローバル化によって、一握りの大企業が世の中を席巻する昨今、私たちの身の回りには、誰がどこでどのように作ったかが見えにくいモノがあふれてきています。その裏では、環境破壊や資源を巡る争い、遺伝子組み換え作物の急増も。この事態を変えていく鍵が「小商い」にあるかも…!と考え、その実践者にお話を聞きます。 |