4月7日、二本松有機農業研究会の大内さんの畑を訪問しました。
すでに畑では、今年の作業が始まっていました。
昨年1年間野菜を作ってみた結果、当初想像していたよりは野菜にはセシウムが移行しなかったこともあり、作付する野菜の種類に大きな変更はなく、様々な野菜の種まきや育苗がすすんでいました。
ただし、これまでは里山にある落ち葉を拾って堆肥をつくったり、苗床の温床も落ち葉を活用していましたが、堆肥は取引先の生協が支援してくれたものを使用し、苗床は電気を使って温めているそうです。
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大内さんに「昨年と今年とは何が大きく違いますか?」と尋ねたところ、「お米だ」という返事が。同じ地域から出荷されたお米から、基準値以上のベクレル数のお米が出てしまったため、移動禁止と作付制限がされることになってしまったのです。
山際の田んぼは、山からの水の影響でセシウムが高くなりやすいといわれていますが、大内さんの地域でもそういった地形の田んぼが影響を受けているそうです。
作付制限では、ゼオライトをまくことが条件とされているため、地域でグループをつくって作業が行われるということ。
そういった作業は大変なので、兼業で農業を営んできた人たちは、作業をすることより、米作りをやめて補償金をもらうほうを選択する人もいるそうです。仕方ないとはいえ、もともと多かった不耕作地がさらに増えていってしまう……という現実に向き合わなくてはならない厳しい状況です。
報告:吉澤真満子(よしざわ・まみこ)