カネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF-RC)では、2012年1月から第3期生、同じく11月から第4期生の研修が始まっています。2013年1月にネグロスを訪問した際に、第3期生と第4期生をインタビューしてきたのでご紹介します。コメントのところは「KF-RCに来た経緯やよかったこと、将来の夢」などを聞きました。
■第3期生:ジョナン・ベントゥラ
24歳、バイス出身、7人きょうだいの一番上、家族は米・バナナの生産。
自分は変わりたかった。これまでは友達と屯ってブラブラするのが好きだった。弟もKF-RCで研修していて、両親の希望で研修に参加したが、この1年間で自分は大きく変わったと思う。たばこもお酒もちょっとだけになった。両親は喜んでいると思う。今は責任も感じている。
■第3期生:ジョマリー・デラクルス(通称ウマ)
35歳、ラ・カステリアーナ出身、5人きょうだいの一番上、KF-RCに来る前までは砂糖キビの労働をしていた。
第1期生のレムレムが従兄で、KF-RCスタッフのピンピンが叔母だったので、自ら志願して研修に入った。まじめに働いている。自分の地元に農場があり、将来はそこで働きたい。KF-RCに来た最初はさみしかったけど、今はなじんで、たくさんのことを学んでいる。有機農業で野菜を作ることも学んだ。地元に戻って農業をする自信をもてるようになった。
■第4期生:マーヴィン・クエロ
22歳、カンルソン出身、5人きょうだいの2番目、家族はバナナ・ほうき・米を生産している。
地域のバランゴンバナナ生産者協会に推薦されてきた。KF-RCはとてもよいシステムで動いていると思う。有機農業、豚、野菜の育て方を学べてうれしい。最初はさみしかったが、今は仲間たちと仲良くやっている。KF-RCで学んだことを持ち帰って有機農業を地元でも実践したい。
■第4期生:マージュン・セラルボ
21歳、パンダノン出身、8人きょうだいの3番目、これまでは家族の手伝いで砂糖キビ・バランゴンバナナなどを生産していた。
これまで家族の仕事を手伝ってきたのは自分。KF-RCに来る15日前に研修の話を聞いた。「そこで何をやったらいいのか?」と両親に尋ねると、「君の未来はここにある」と言われた。父親(注:マカオさん)は日本に行ったこともあり、母も一緒にKF-RCを見学に来ているので、ぜひ息子を送りたいと考えたのだと思う。最初は、KF-RCに行けば砂糖キビ労働や炭焼きなどの重労働から解放される!と思っていた(笑)。でも今は豚、野菜、植物のことなど、色々なことを学べていて、これが自分にとってのチャンスだと思っている。他の地域からきたたくさんの人たちと知り合えてうれしい。将来は養豚をやって、化学肥料を使わない農業をやりたい。
■第4期生:マイケル・リアネス
22歳、パンダノン出身、7人きょうだいの3番目、これまでは砂糖キビ・米などを生産していた。
父親が病気で、小さいときから家族のために働いてきたので、学校にも通えなかった。上のきょうだいのために学費も稼いだが、子どもができて退学。その結婚資金も自分が捻出した。KF-RCに来ることができてうれしい。まわりの仲間とも兄弟のように協力してやっている。自分の地域に戻ったら、化学肥料を使わない農業をやりたい。養豚もやって、家族を助けていきたい。
第3期生のジョナンくんは、2013年2月には卒業予定。バランゴンバナナの生産地域である地元のバイス村へ戻り、まずは養豚プロジェクトを開始することになっています。さらに、豚の糞尿を活用した堆肥づくり、それを利用したバナナ以外の多様な作物生産に取り組んでいく予定です。
また、第4期生の3人は、バランゴンバナナの生産地であるパンダノンとカンルソンからやってきました。KF-RCで研修を積んだ後は、ジョナンくんのように村に戻って、地域での作物多様化をめざします。
報告:吉澤真満子(よしざわ・まみこ/APLA事務局長)