エルメラ県のコーヒー産地での水源保全活動、報告(その1)に続いて、プログラム2日目以降の活動の報告です。
必要な材料もすべて自分たちで調達
1日目、水源を整備するために大小たくさんの石を使用しましたが、発注したら誰かが届けてくれる、などということはもちろんなく、みんなで協力して山から運び出したものです。大きくて重たい石を運んでいるにもかかわらず、雨でぬかるんだ急斜面を危なげもなく下っていきます。一方のわたしはというと、写真を撮るだけで何も運んでいないのに、滑って転がり落ちないように一歩一歩確かめながら歩くのが精一杯(写真ではなかなか伝わらないと思いますが、かなりの急斜面なのです)。彼/彼女たちにとっては、子どもの頃から駆け回っている山だとわかっていても、ただただ感心するばかりなのでした。
そして2日目にもエゴさんの指示でたくさんの石を運び出してきました。昨日きれいに整備した水源の下のスペースがドロドロの粘土質なので、石を敷き詰めて、慣習的な儀式を執り行うための場所・この水源を訪問した人たちのための場所を整備しようということになったのです。石を敷くことで、流水によって土壌が下方に流されないようにする目的もあります。
この時は、女性たちが中心になって作業を進めました。だまっていると一歩下がって男性の「お手伝い」となってしまいがちなので、エゴさんはあえて「男性たちは石を運ぶサポート役にまわって!」と指示を出していました。運ばれた石を土台となる大きな石、その上に中小の石……という順にうまくはめこんで、最後は平らな石で表面を覆います。朝は、ドロドロで歩くのも一苦労だった水源の周りが、昼過ぎには美しい姿に変身していました!
雨にも負けず、作業は続きます
続いて、整備した水源の下方に大きなため池を掘る作業。どんどん湧き出てくる水、そして作業の途中から降り出した強い雨で、ため池はみるみるうちに水でいっぱいに。豪雨が降った時に流されてしまわないように、掘り出した土を念入りに積み上げて、竹を利用した排水口を設置して、さらに柵となるような木を植えていきます。この木々が根付いたら、保水力が高まるはずです。雨季まっただ中の東ティモール。かなり強い雨が数時間にわたって降り続けましたが(半分くらいの人は軒下に避難したものの)、そんな雨にも負けずに「一人だけだったら辛い仕事だけど、みんなで仕事すると楽しいよね!」とメンバーの一人。子どもも大人も一緒になって、泥まみれになりながら作業を続けました。
エゴさんからは「次の乾季には水量は減るだろう。でもその時にラグーンの底を牛糞などで固めれば、来年以降は水の流失も少なくなるよ」とのアドバイス。今回のプログラムが終わったらそれで終わり!ではなくて、地域のみんなが継続して手をかけていくことが大事なのです。
引き続き、報告(その3)もご覧ください。
報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)
※このプログラムは、地球環境基金の助成を受けて実施しています。