昨年、フィリピンとラオスの農民との交流に参加したメンバーたちが、「自分たちもネグロスのカネシゲファーム(KF-RC)のように地域の若者が循環型農業について学べる場所を作りたい」という夢を語り出しました。
KF-RCとまったく同じように長期(約半年)にわたって研修生を受け入れることは、自分たちの能力的にも資金的にもまだ難しいけれど、まずは短期の研修を単発で実施することで、これまで自分たちが学んできたことを、地域に暮らす若者たちに共有・伝達していくことをめざしてみようと、まずは2008年2月に1週間、さらに4月~5月の約1カ月間にわたり、レテフォホ郡ハウプ村にあるFitun Caetanoの地域センターで循環型農業の研修を実施しました。
参加者は、これまでAPLAと一緒に収入の多様化や環境保全の活動を進めてきた4つのコーヒー生産者グループから、それぞれ意欲がある若者を推薦してもらう形で選出することに。結果、Talo(ハトリア郡)とLekisara(レテフォホ郡)から合計5人、また研修の会場となったFitun Caetanoからも多くの若者が参加しました。
2度の研修では、有機堆肥・液肥のつくり方と活用の仕方、EM菌の活用の仕方、有機物のみを使った殺虫剤のつくり方、種とりや苗の育て方、傾斜地での段々畑のつくり方など、参加者たちは実践を通じて様々な技術を学びました。参加者の感想を一部ご紹介します。
- 学んだことを自分のグループに持ち返って、他の仲間たちにも伝えたいし、実際に実践したい。研修から家に戻ったら、自分の家でも学んだことを実践したい。グループの仲間だけでなく、地域の小学校での活動にも協力したい。
- この研修に参加できてとてもうれしい。自分たち若者が能力や持続可能な農業についての知識を高めることのできる素晴らしい機会だった。自然を大切にすること、むやみに木を伐ったり草を焼いてはいけないことも学んだ。また、この研修に参加してよいリーダーになるために大切なことも学べた。
- 苗の作り方、堆肥の作り方、それ以外のとても沢山のことを学ぶことができた。自分たちの将来にとって大きな力を与えてくれる研修だった。家に戻ったら、研修で学んだことを仲間たちにも伝えて実践したい。
- とてもいい研修だった。みんなと一緒に一週間身体を動かしながら学べたのがとてもよかった。家に戻ったら、学んだことを家族に伝えたり、グループのメンバーと一緒に実践したい。特に苗は自分でしっかり作りたい。
感想にもあるように、具体的な実践だけでなく、根底になる循環型農業の意義や地域でリーダーとなるために必要なことなどの座学の時間もしっかりクリアした若者たち。彼・彼女たちが乗り越えていかなくてはいけないハードルは様々にありますが、APLAでは、今回の研修を最初の一歩として、それぞれの地域で活躍していく若者たちの後押しを続けていきたいと思います。
報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)