インドネシア・東ジャワ州シドアルジョ県を中心に環境活動を続けてきたKOIN(エコシュリンプの製造・輸出を担うオルター・トレード・インドネシア社のスタッフとエビ養殖農民が立ち上げたNGO)は、エコシュリンプの養殖池が広がる地域における河川環境の改善のために、家庭ゴミの回収システムづくりに取り組んできています。詳細は PtoP NEWS vol.37 をご覧ください。
KOINが最初に家庭ゴミの回収活動に挑戦したのが2015年のこと。約700世帯が暮らすチャンディ郡クドゥン・ペル村では、当初家庭ゴミ処理についての意識していない住民がほとんどでしたが、村内の道や近くを流れる川がきれいになっていくことで効果を実感した住民自身が活動に熱心に協力するようになっていきました。外部の助成金を活用した事業運営の終了後も、村の住民自治組織を中心にゴミ回収活動が継続され、現在に至っていることが何よりの成果だといえます。さらに、こうしたはっきりと目に見える成果が、近隣の村に対しても影響を与え、KOINに対して協力を求める声が複数の村から届くようになりました。2019年度までに、KOINと村の行政と協力することで、クドゥン・ペル村を含む4つの村で、住民自治組織による家庭ゴミの回収活動が定着しています。
2020年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、KOINも活動に大きな制約を受けましたが、感染対策を取りながら、少しずつ活動を再開しています。2021年3月には、新たにスダティ郡カランアニャル村での家庭ゴミ回収システムづくりに取り組み始めました。写真は、これから村内の各家庭に配布するゴミ箱です。
4月13日からラマダン(断食月)に入っており、住民への説明会などは、5月13日、14日のレバラン(断食月明け大祭)が終わってからの開催になりますが、KOINのスタッフたちは着々と準備を進めています。
報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)
※カランアニャル村での活動は、グリーンコープ共同体からの「fromネグロス・クリスマスカンパ」ならびに支援者の皆さんからの寄付金で実施しています。