2022年8月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降2年半ぶりにインドネシアの活動地を訪問してきました!まずは、東ジャワ州シドアルジョ県の様子を報告します。
まずは、昨年からKOINがゴミ回収活動の支援を始めたカランガニャル村を訪問しました。同村は、人口約5,000人(1,650 世帯)で、村の面積の多くをエビ養殖池が占めています。村では、2016年から独自に家庭ゴミの回収活動をおこなってきましたが、予算の問題、そして何よりも住民の意識を変えることが難しく、回収率は約20%ほどだったとのこと。昨年KOINとの協同を開始してからは、回収率は70%ほどにアップしたそうです。
村有地に造られた簡単なゴミ処理場を見学しました。村の住民組織(KSM)が 回収したゴミをそこで細かく選別しており、プラスチック各種、瓶、缶、紙類は売却し、食品残渣は液肥にしています。最終的に売れないもの・活用できないゴミだけを焼却していました。選別を待つゴミの山を前にしても(その日の朝に集めてきたばかりのゴミだから、と言っていましたが)それほど臭いは気にならなかったものの、ものすごい量のハエが飛んでいて、すべて手で選別するのは本当に大変な作業だと感じたので、今後は、それぞれの家庭からゴミを出す時点での分別を進められるといいのではないか、と日本の例を共有しました。
同村のRT(日本でいう「組」みたいなもの)の女性たちと懇談し、この間の地域の変化についても聞きました。「回収システムが少しずつ根付いてきたおかげで、住民自身の意識も変化してきました。まだ100%とはいえないけれど、これからもっと良くなっていくはずです」と嬉しそうに話してくれました。また、家庭ゴミの回収活動だけでなく、廃油をつかった石けんづくりや食品残渣の過程で のコンポストにも関心があるとのことで、今後KOINがワークショップを実施するという話に発展しました。
KOIN代表のイルルさんによれば、村を出てすぐのところを流れている小さな川は、数年前まではゴミがあふれかえっていたとのこと。今や見違えるようになっていて、とても大きな変化だといえます。
KOINは、昨年までにカランガニャルを含む5つの村で家庭ゴミの回収活動を軌道に乗せてきました。基本的に、初期費用(50~100万円)を負担しながら最初の一年間の活動に並走し、それぞれの村の自主運営に結びつけてきたという大きな成果を今回の訪問で改めて確認することができました。
報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)