10月21日〜26日、パーマユース・キャンプに参加した東西ティモールの若者たち。キャンプ終了後は、APLAが長年ともに活動しているエルメラ県のファシリテーターたちが、それぞれリアモリとメルトゥトのコミュニティで西ティモールからの新しい仲間を迎えました。
1日目はリアモリへ。ファシリテーターのマルセロがコミュニティの仲間たちと傾斜のある土地に作ったテラス式農園とコミュニティの共同菜園に案内し、これまでの経験を共有しました。近所で一緒に活動に取り組んでいる人たちも集まり、それぞれの経験を話しました。話のなかで「鶏が以前たくさん死んだ」という話題があがり、インドネシアでパーマカルチャーを学ぶ講座を修了した西ティモールからの参加者のひとりが、身近な植物(ハーブ)で作る鶏の不調に効く薬の作り方について話す場面も見られました。また西ティモール・クパンの中学校でアートを教えている参加者が、マルセロの家の正面一面に花と鳥の絵を描くというプレゼントも。彼が絵を描き始めてからは、マルセロ一家もコミュニティのメンバーも壁の前から離れず、おしゃべりしたりしながら絵を褒め、写真を撮るなど、とても喜んでいました。集落の新しい撮影スポットになるかもしれません。夜には、先の選挙でリアモリ集落長に就任(!)したAPLAのファシリテーター、マルクスもやって来て、夜遅くまで話を続けました。
2日目はメルトゥトに移動し、以前にAPLAで保全活動を行なった水源や菜園をファシリテーターのアグスが案内。水源には、まだまだ雨の少ない雨季の始まりにもかかわらず水が流れていました。特に時間をかけて水源を観察していた西ティモール参加者のひとりは、帰宅後に「西ティモールでもコミュニティが組織的に水源保全を行わなければ」と話していました。
3日目は、協力団体である有機農業団体TILOFE(Timor-Leste Organic Fertilizer)を訪問し、彼らの活動についての説明を受けました。訪問当日は用事で会えなかったものの、パーマユース・キャンプの最中に、TILOFE代表のゼッキーさんは、少し前に西ティモールの親戚を訪ねたと話すなかで「東西ティモールで一緒にできることを探しましょう」と特に環境保全の分野での協力に前向きでした。
4日目は、ディリで東ティモール抵抗運動博物館とインドネシア占領期に刑務所として使われていた建物で虐殺の歴史を伝えるChega博物館を見学したのち、協力団体であるKSIの事務所で東西ティモールの農や土や水など環境について、さらには歴史、植民地主義についてなど議論が弾みました。その後、協力団体Permatilの事務所も訪れ、国境地帯での環境保全活動を通じた平和構築・和解のための活動のアイデア交換などを行い、今後の可能性について探りました。
今回の東西ティモール交流が、今後どのようにつながっていくのかとても楽しみです!
報告:松村多悠子(まつむら・たゆこ/APLA事務局)