2010年2月より呼びかけておりましたハイチ地震への緊急支援ですが、6月15日で受付を終了しました。皆さまからのたくさんのご支援心より御礼申し上げます。
募金総額 1,569,001円
いただいた募金は、6月25日に日本キリスト教協議会(NCCJ)へ振り込みました。世界規模で緊急救援を行っているAction by Churches Together(ACT)へ送られます。
ACTの支援現状報告
※ACTのホームページでアップされている報告をAPLA事務局で簡潔にまとめたものです。なお、情報は2010年3月末時点のものです。
ACTはほぼ2カ月前(3月末時点)に発生した地震直後から15万人に対して支援を行ってきた。ACTのジュン・ンドゥナ事務局長は、現地の活動現場を訪問し、ハイチ政府高官、国連代表やキリスト教指導者などと会合をもち、緊急救援から復興に向けた動きを強めるよう働きかける予定だ。出発前夜ンドゥナ事務局長は「ACTは必要とされ続ける限りハイチに留まり活動を続ける。将来につながる長期的な開発プログラムを持続していくことが我々に課されている」と発言した。 ハイチでは14のACTメンバー組織がおよそ30の地元組織と協力して活動してきている。その活動は、一般的な緊急救援として、飲料水、浄水タブレット、テント、毛布、マットレス、衣服、蚊帳、食料、医薬品などの配布や、心理的なサポートなどである。地域のクリニックに対しては、必要不可欠な医薬品を配給してきている。今後は、住む家や仕事を失った人びとへの長期的な支援に移行していく予定である。
ACTメンバーおよびパートナー団体からの活動報告
◆Christian Aid
各パートナー団体による物資配給は以下のような形で現在まで続いている。 RNDDH:受益者リストの家族の詳細を検証し、キャンプの中でもより弱い立場の人びとに届くように、現金支援の準備を進めている。来週開始される現金支援のためのIDカードが配布された。4月には、1家族につき130米ドルが支援される。RNDDHは現在までに2004家族に対して支援をおこなってきたが、ロジスティック上の理由で支援活動を行っているキャンプの数を45から36に減らすことになる。 GARR:食料配給のための資金を準備、受益者の選出をしてきている。1家族につき130米ドルの支給が3カ月にわたり実施される予定で、770家族を対象としている。また、200人の子どもに対して心理社会的ケアのプログラムを日々実施している。 APROSIFA:温かい食事の配給を続けている。
◆Church World Service (CWS)
パートナー機関であるService Chretien d’Haiti (SCH)は、500人以上の障がい者を対象に奉仕活動を行い、その中でもより助けを必要としている105人をPWD(Person with Disability)プログラムに登録した。受益者は、オリエンテーションを受けた上で、現金引換券の配給を受け、合計6カ月にわたり現金管理トレーニングを受けることになっている。 それ以外に750人の障がい者にもアプローチする予定で、続く2カ月に実施されるプログラムに495人を登録する。CWSとSCHは「障がい者包括のための国家事務局」との間で覚書を作成、政府代表がSCHによる障がい者のための奉仕活動モニターのトレーニングに参加することにつながった。
◆Finn Church Aid(FCA)/LWF
先週、Darbonneに7つの学校用大規模テントを設置、今週はLeoganeとMathieuで合計10のテントの設置が待たれている。FCA/LWFは、地震以降Leogane地区ではじめてテントでの学校を開校する組織となる。これによって、95%の学校が破壊した同地区内の生徒4000人に緊急事態に対応する教育を行うことができるようになる。 心理社会チームは、カウンセリングと教員のトレーニングを行い、子どもたちが学校に戻った際に必要としていることを確保してあげられるようにしている。子どもたちには、清潔な水、衛生品、学習道具、遊び道具が支給され、世界食料計画(WFP)との協働のもと、学校給食プログラムの準備が進んでいる。
◆HEKS/EPER
緊急援助から復興・復旧段階に移行しており、地元のパートナー組織と協力して中・長期的にみた人びとのニーズに重点を置いた活動を始めている。 ①緊急援助:食料安全保障と仮説住宅 これまでに12カ所のキャンプで合計18万食の温かい食事を提供した。5月上旬のプロジェクト終了時までに、未調理食料品パッケージを配給する戦略がある。 同じく12カ所のキャンプでビニールシートを配布。 St. Pierreの100家族に対して、地震前に居住していた地域への再定住のためにテントを配布。 ②災害後:食料安全保障と住居再建、そして生計支援 Petit Goaveの個人住宅の再建。地元行政やパートナー組織と協力して、4月7日に「the Protection Civile」をテーマにしたワークショップを開催。プロジェクトとしては、約150家族の住居の再建ならびにMeilleur Haut定住地への移住促進に重点を置いている。生計支援については、地元パートナーのPRRが、Petit Goaveの自治体との協力で実施を決めている。 Grand-Anse地区に大量の国内避難民が流れてきていることへの対応として、同地区の食料の安全保障を確かなものとするプロジェクトを実施。プロジェクトの狙いは、来期の農産物の確保と農産物の交換を行うこと。
◆Lutheran World Federation (LWF)
生計支援プロジェクトのコーディネーターが、農学者と協力して、被災地の状況を調査を実施中である。「cash for work(被災者が仕事を担って現金を得る)」プログラムを開始しているが、その対象地域と具体的な活動については、コミュニティリーダーや行政、パートナー組織との話し合いによって、適切なものとなるように進めている。それ以外に、スクールキット、テント(67家族)の配給が行われた。また、ACTのパートナーであるSSIDの支援によりドミニカ共和国にいる1万1700家族への家族キット(マットレス、ブランケット、蚊帳、米)の調達が完了した。 Darbonneで7つのテントを設置した。1500人の子どもが4月5日に暫定的に学校に戻ることができる予定。Leoganeでは6つのテントが追加で配給される予定で、そのための整地準備が行われている。このテントはLeogane地区で初めての学校用のテントとなる。さらなる教育プログラムのための資金集めを進めている。
◆Norwegian Church Aid (NCA)
Viva Rioは、32カ所で公衆トイレの設置、10カ所で給水設備、6カ所で給水設備と公衆トイレの設置を実現した。これまでに設置した公衆トイレの数は248、最終的には500のトイレの設置を計画している。また、1日に8万6000リットルの給水をおこなっている。 NCA/MOFECSは1日に2万5000リットルの給水を行っている。これまでに、Place Fierteで60、Parc Sportifで32、RueGermainで30の公衆トイレ設置を完了した。また、3つのキャンプへのシャワー設備の設置を計画している。Place Fierteでは、子ども100人に対して、トイレの使用方法に重点をおいて衛生に関するトレーニングを実施した。 【補足:全体的な状況】 オックスファムの調査では、60%以上の回答者が国際NGOによる援助の質や効率について、肯定的に捉えていることが明らかになった。 把握している限りの取り扱い件数(約150万人)の81%が、緊急シェルターに入居。 WFPは全国の子ども約40万1000人に対し食糧支援を行っている(2010年の目標は80万人)。首都ポルトー・プランスの学校は4月5日には再開する予定。 Petit GoaveとGrand Goaveでは、地震前に全部で115校あった幼稚園、小学校、中学校のうち、102校が破壊されてしまった(約90%)。 3月19日、ルネ・プレヴァル大統領が、ポルトー・プランスの北部にある7500haの土地を一時的移転地として割り当てることを定めた法令に署名。雇用は進行中である。 ポルトー・プランス、などに自然発生的にできた集落で寝泊りするおよそ110万人に対して、水設備(上下水道)・公衆衛生プログラムが組まれる。現在までに、約4980の公衆トイレが設置された。 ドミニカ共和国からハイチに貨物を送る全組織に対して、ハイチの通関手続きを認可された仲介業者の使用が義務化される。