ルソン島北部に位置するヌエバ・ビスカヤ州とイサベラ州は、フィリピンの穀倉地帯です。低地では米やとうもろこしを中心に、高地では高原野菜が生産され、首都マニラの食生活を支えています。
しかし、これまでこの地域で進められてきた農業は、化学肥料・農薬を多用する慣行農業であるため、土壌汚染の問題や生産力が落ちることを懸念したり、農薬による健康被害を訴えたりする農民もいます。
また、近年では、燃料コスト上昇による化学肥料代の値上がりや遺伝子組み換え作物の拡散も問題となっています。
APLAは、北部ルソン地域での持続可能な有機農業の普及、それによる農民たちの安定した暮らし・地域づくりに協力しています。
北部ルソンの山岳地は、多くの先住民族の人びとが山や森の恵みに拠って生きてきた地域です。こうした人びとが受け継いできた自然と共に生きる知恵や技術を学び、アジアの他地域の人びとと共有するための交流も進めます。
パートナー紹介
マラビン渓谷・ギルバート農場
マラビン渓谷は、北部の山岳地域から山を下ってきたイフガオ族の末裔たちが開拓した地域。
1990年代に、ひとりの開拓者が柑橘を栽培し始めたところ、土地に適していることが分かり、周辺の農民たちも栽培を始め、柑橘の一大産地に。他の地域では取れないので、市場では付加価値がつき人気に。
自然豊かな山であるゆえに、近隣では外国籍企業の鉱山開発が進んでいます。森を守るためにも、2012年からBMW技術を導入し、持続可能な農業を進められるよう取り組みを始めています。
現在の具体的な活動
◆ギルバート農場有機転換へのサポート