APLA設立当初から共同代表を務めてくださっていた村井吉敬さんが、すい臓がんのため、3月23日に永眠されました。
村井さんは、持続可能で自然の仕組みを生かした養殖を実践しているインドネシアのエビの生産者と私たちをつなぎ、(株)オルター・トレード・ジャパン(ATJ)のエコシュリンプの取り組みが始まるきっかけを作ってくださった方でした。1992年にエコシュリンプの交易がスタートしてからは、共に歩み、育て、見守ってくださいました。APLAでは、2010年からエコシュリンプの加工労働者の実態調査を実施しブックレットにまとめましたが、その監修を担当してくださり、2011年の加工労働者来日の際にもご協力くださいました。
また、2011年から民衆交易の準備が始まったインドネシア・パプア州からのカカオ事業立ち上げに際して、事業に先駆けてDVDとブックレットを製作しましたが、その現地取材にあたっても、20年かけて足を運んできたパプアについて多様な視点からの助言、アドバイスをくださいました。
機関紙『ハリーナ』では、NO.1~6までのコラム「じゃらんじゃらんアジア」を執筆され、主にインドネシアの動植物について紹介してくださいました。かつて蝶の収集がお好きであったということだけあり、動植物に関する詳しい話とともに、異なる一面からアジアの様子を伝えてくれました。
日本とアジアの関係のなかから大局的な状況を見据えながらも、常に人びとの暮らしの視点に立って物ごとを発言されてきた村井さんのお力で、APLAの活動もその幅を広げることができました。
APLAは設立から5年を迎えますが、更なる5年、10年の活動のあり方について議論を深めようとしていた矢先、まだまだ一緒にAPLAの活動を進めていきたいと思っておりましたので、役員・スタッフ一同、残念でなりません。
これまで村井さんが示してくださったことを、これからのAPLAの活動に少しでも生かしていくことができたらと考えております。
心よりご冥福をお祈りいたします。
共同代表 秋山眞兄、疋田美津子
事務局スタッフ 一同