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2013年6月20日~25日KF-RCを訪問しました~課題解決に向けて

少し遅くなってしまいましたが、6月にネグロスを訪問した報告です。今回はカネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF-RC)に3日ほど滞在し、設置されているBMWプラントのチェックや、農場の近況報告を受けて現在抱えている課題を話し合ってきました。

BMWの方は、水の品質を含めて概ね良好です。前回のチェックでは、少し水が汚れてきていたことが指摘されたので、その後タンクの掃除をしたとのことで、今回はきれいな水でした。相変わらず、農場の動物たちもおいしそうにBM活性水を飲んでいます。また、豚舎から流れてくる液肥(消化液)は、農場の畑にまかれます。ちょうど、研修生のウマさんが、ナスに撒いているところに遭遇しました。

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BM活性水のプラントチェック

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液肥をまく研修生のウマさん

その他、農場で栽培されている作物もよく育っていて、とうもろこし、お米、ナスやハヤトウリなど約20種類の野菜が植わっています。いつも私たちが農場でいただく野菜は農場で採れたてのものをいただいています。

本格的に育てたとうもろこし、順調に育っていました

本格的に育てたとうもろこし、順調に育っていました(スタッフのカルロスさん)

オクラを手にするスタッフのエムエムくん

オクラを手にするスタッフのエムエムくん

 

私の滞在中には、子豚が10匹売られていきました。近所で養豚事業をしている人が買い付けに来ましたが、いつも子豚をKF-RCで買って肥育豚を販売しているとのこと。KF-RCの子豚は健康で元気なので、いつも来ているそうです。売られていく子豚たちは、一匹ずつ袋を被せられます(遠距離で運ぶときは袋には入れないとのこと、かわいそうですもんね)。全身全霊で抵抗する子豚たちを見ているとちょっとかわいそうでしたが、同時に、なんとか無事に育って売られていってほしい、という思いも。研修生たちは慣れた手つきで子豚を送り出す準備をしていました。

売られていく子豚をつかまえる研修生のマイケルくん

子豚をつかまえる研修生のマイケルくん

袋に入れられる子豚たち

袋に入れられる子豚たち

 

KF-RCのスタッフと研修生たちでミーティング

KF-RCのスタッフと研修生たちでミーティング

農場が現在抱えている問題についての話し合いも行いました。2009年から農場を運営し始めて最初の3年間はAPLAから財政的支援をしましたが、4年目からは支援なしでやってみることになっています。しかし、豚の飼料代が計画より高くつくため、支出が多いのに比べて収入が数万ペソ足りません。毎月少しずつ赤字が出てしまい、どうしたら毎月の採算が取れるかが話し合われました。支出を減らすため、豚の飼料の自給(とうもろこし栽培)を少しでも試みてみる、収入を増やすために野菜の売上を増やす、などといったことが話されました。野菜の売上は昨年に比べると減ってきていて、原因を探ると、売上額の高い養豚に頼ってしまっていること、直売所ができた後、以前は積極的にやっていた近所への引き売りをしなくなり“お客さんが来るのを待つ”姿勢になってしまったことなどがあげられました。また、かつては、研修生とスタッフ全員がそれぞれ区分わけされた畑を持ち、各自が栽培する方法を取っていたのに対して、現在は、耕作・養豚・販売など、業務ごとに担当を分けてしまっています。人手の必要な耕作を皆が手伝うことになっていましたが、実際には後回しになってしまうという状況も生まれてしまいました。販売担当と畑を管理している担当者とのコミュニケーション不足のため、必要な野菜の生産が追いつかず売上げにつながらないことも見えてきました。

こうした全員での話し合いを受けて、各自がいかに責任を持って仕事をするかが大切であるという確認がされ、今後の改善をめざしていきます。

KF-RCのスタッフと研修生たち

KF-RCのスタッフと研修生たち

KF-RCも4年目、かつては研修生たちと様々な話しをしても、興味のないことには集中力が続かない様子も伺えましたが、今回の訪問では、皆が真剣に課題を克服するために一緒になって考える・学ぶ姿勢が強くなっていることを感じました。これからが正念場です。私たちAPLAも、外側から見守りつつ、脇からのサポートを続けていきたいと思います。

報告:吉澤真満子(よしざわ・まみこ/APLA事務局長)