現在、ネグロス島に駐在中のオルター・トレード・ジャパン(ATJ)のバナナ担当者である黒岩さん。週末には、たびたびカネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF-RC)を訪ねているそうで、写真と一緒にKF-RCスタッフたちのエピソードを送ってくれましたので、紹介します。
小さな変化の積み重ね
右の写真がKF-RCのスタッフと研修生が作った週間予定表。1月にKF-RCに遊びに行った時に撮ったものです。
内容は生姜を植える・収穫する、苗床の修理などです。ぱっと見たらそんなに気になる物ではないのですが、その後、KF-RC代表のアンボさんと話をして、週間予定表を自分たちで作れるってすごいことなのだなと実感しました。
アンボさんが話してくれたのは、KF-RCのスタッフたちは元砂糖キビ労働者やその家庭で育った人が多く、砂糖キビ労働者というのは基本的に日々指示された仕事だけをしてきたということです。当日、仕事場に行ったら、「今日は〇〇の仕事をして」と指示され、それが終わったら「次は〇〇」と指示される。
言われたことを淡々とこなしてきた砂糖キビ労働者は、自分たちで予定を立てて、それに取り組むことに慣れていないと言っていました。
KF-RCのスタッフたちも、最初は自分たちで予定を立てることができず、常にアンボさんが確認しないといけない状況だったそうですが、今は自分たちで週間予定を立て、終わらなかった仕事は違う日にやったり、スタッフが自分たちで考えて働いているそうです。
日本人からしてみると単なる簡単な週間予定表かもしれません。でも、背景をしっかり理解すると、小さいことかもしれませんが、これもこの間のKF-RCの取り組みで達成できたことのひとつなのだなと実感。どうしても大きな目に見える変化に目が行きがちですが、こういった小さな何気ない変化の積み重ねが大切なのだなとことを改めて学びました。産地に行った時には、こういった小さな変化に気づけるよう、頑張ります。
報告:黒岩竜太(くろいわ・りゅうた/ATJ)