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2016年8月7日~10日東ティモールで子ども環境キャンプを開催

2016年8月、エルメラ県レテフォホ郡のコーヒー産地の村で、小学生高学年の子どもを対象にした環境キャンプ「Perma Kids Camp」が開催されました。合言葉は「PREPARA AN BA FUTURU SUSTENVEL(持続可能な未来のための準備をしよう)」。東ティモールを代表するミュージシャンであり環境活動家でもあるエゴ・レモスさんが代表をつとめるNGOパーマティル(Permatil)とAPLAとの共催で、農村に暮らす子どもたちが、自分たちのいのちを支える環境のこと・自分たちで土を耕すことの大切さなどを、体験を通じて学ぶ機会をつくり将来につなげたい、と企画したキャンプです。

エルメラ県内および隣県のリキサ県の5つの地域から集まった子どもたちは150人以上。最初は、ほとんどの子どもたちが緊張していましたが、ファシリテーターのジョアキム・ブリテスさんが率いるスタッフたちによる歌や踊りを盛り込んだアイスブレイクプログラムを通じて、どんどん積極的になっていきました。

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テーマ別ワークショップのためにグループ分け。みんな緊張の面持ちです。

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歌と踊りでアイスブレイク。出身の村や学校が違っても、あっという間に仲良しに。

 

パーマカルチャー(注)や循環型農業を実践的に学ぶテーマ別ワークショップ、水源保全についてのミニレクチャーと観察会、ゲームや歌を通じて身体をつくる栄養素について考えるプログラム(東ティモールで長年活動しているシェア=国際保健協力市民の会が協力してくださいました)、環境について学ぶ動画の上映、キャンプファイヤーを囲んでの出し物大会など、普段学校では体験できないような様々なプログラムが用意された3泊4日。子どもたちの生き生きとした表情が忘れられません。

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このグループは、パーマカルチャーならではの畑のデザイニングについて学んでいます。

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こちらのグループは、上手に苗を育てるために必要なことを学んでいます。

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キャンプ会場となったリアモリ集落で2015年2月に実施した水源保全活動の成果の視察とミニレクチャー。

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ミニレクチャーの先生をつとめたのはFitun Caetanoの期待の星、マルクス。

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3大栄養素について楽しみながら学べるゲーム。みんなで相談して答えを考えよう。

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シェアのスタッフによる答え合わせ。自分たちのグループは正解かな…?とみんな真剣。

 

キャンプには、来賓として東ティモール教育省の副大臣も参加し、プログラムを一部視察。セレモニーの中の基調スピーチでは、参加者の子どもたちに対して「今回学んだことを自分の家、自分たちの学校で実践することが大切。全国の子どもたちの見本になってください!」と、熱いメッセージが送られました。今回のキャンプに参加した子どもたちが、村に帰って学んだことを実践していく。今後は、そのサポートにも力を入れていくことで、学校をひとつの起点にした「農を軸にした地域づくり」につなげていけるかもしれません。

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教育省副大臣や他の来賓の方たちを伝統的な方法でお出迎え。

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副大臣による基調スピーチの後に、抱負を語る参加者の子ども。

 

電気も水道もガスも通っていない村での大掛かりなイベント。200人を優に超える村外からの参加者・引率者やボランティアスタッフのための宿泊場所や水回りの設営、食事の準備など、ハード面の準備は数カ月前から進めていきました。開催時期を子どもたちの夏休みにあわせたためにコーヒーの収穫時期と重なってしまい、キャンプの受け入れを引き受け、準備に奔走してくれたリアモリ集落のコーヒー生産者たちは「コーヒーに手が回らなくて木の上で腐っちゃったよ!」と軽口をたたく場面も。それでも、「子どもたちのため、地域の将来のためだからね」と、誇らしそうでもありました。

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今回のキャンプのホストをつとめたリアモリ集落のコーヒー生産者たち。エゴさんと一緒にパチリ。

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公共交通機関がないので、子どもたちの移動はトラックを使って。「また会おうね!」と笑顔でお別れ。

 

2010年から小規模コーヒー生産者グループとともに進めてきた持続可能な農業や環境保全の活動ですが、今回の子ども環境キャンプは色々な形で未来への種まきになったと信じています。

報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)

注:パーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、そして文化(カルチャー)を組み合わせた言葉で、永続可能な農業をもとに永続可能な文化、即ち、人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくためのデザイン手法。

※このプログラムは、地球環境基金の助成を受けて実施しています。