2020年8月6日夜、NPO法人APLA共同代表、そして姉妹会社の㈱オルター・トレード・ジャパンの副社長でもありました秋山眞兄さんがご自宅の火災により逝去されました。享年74歳でした。
APLAとATJでは、去る10月11日、秋山さんが長く活動を共にしてこられた方たちのお話を聞き、秋山さんの思い出を共有する場として、オンライン上ではありましたが偲ぶ会を開催いたしました。ご冥福をお祈りし、謹んでお知らせ申し上げます。
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秋山さんと初めて会ったのは30年以上も前のことです。政治・社会運動がまだ熱気にあふれていた1980年代。月1回早稲田奉仕園で開かれるJCPC(フィリピン問題連絡会議)の会合で事務局を担っていた秋山さんは、当時、40代前半の麻布学園の数学教師でありつつ、プロテスタント教会における社会運動のバリバリの活動家でした。マルコス独裁政権下のフィリピンの人権問題や日系企業の悪事を憂慮し、抗議の声を上げるための団体であったJCPCは、キリスト者から仏教徒、労働組合など異分野の組織が連なるユニークな組織でした。JCPCが当時の日比連帯運動を持続的に牽引していけた背景には、事務局の秋山さんの緻密かつ堅実な働きがあったはずです。その後、JCPCはネグロス島での飢餓問題に対応するJCNC(日本ネグロス・キャンペーン委員会)を生み出し、飢餓救援から農村自立支援へと変、遷し、現在のAPLAへと引き継がれ、ネグロス島の若手農民を育てる研修農場も設立されました。秋山さんはそのすべてのプロセスに中心的に関わってこられました。「支援する」運動から「自立を助ける」運動へ、さらに東日本大震災と福島原発事故を経て、貧困や自然災害が当たり前になってしまった今の日本の下で、足元の暮らしと国境の向こう側の人々の暮らしの自治・自立をともにめざす新たな国際連帯運動へと進めていく日々の試行錯誤を、ずっと引き受けてこられた秋山眞兄さんに心からの敬意を表します。
APLA共同代表 疋田美津子