5月21日、イスラエル政府とガザ地区を実効支配するハマスとの間で停戦が合意された後、国連が運営を支援する学校に避難していた人びとの多くが帰宅しましたが、9000人程がまだ親族の家に身を寄せています。現地からの情報によれば、約40%の住民が水道水を使えず、電気が供給されるのは1日わずか5時間と厳しい生活が続いています。
オリーブオイルの出荷団体のパレスチナ農業復興委員会(PARC)とパレスチナ農業開発センター(UAWC)は、停戦直後から、爆撃の被害を受けた人びとへの物資の緊急配布の準備を進めてきました。そして、5月末より食料などの配布を開始したとの報告が届きました。
物資の配布場所では、多くの人びとが順番で食料を受け取りました。食料セットには、オリーブオイルなどの調味料、パン、クスクス(パレスチナの主食の一つ、小麦粉から作る)や米、豆類、野菜や果物、鶏肉や牛乳、缶詰などが詰められています。また、毛布やマットレス、幼児がいる家族にはおむつや粉ミルクも配られました。
空爆により広範囲で水道管が損傷したため、ガザ地区では約80万人が清潔な水道水を利用できていません。そのため、飲料水も一緒に配られました。
2005年から境界が封鎖され、物資や人の移動が厳しく制限されているガザ地区では、もともと60%以上の人びとが慢性的な食料不足に陥っており、国際機関などの食料援助に頼らざるを得ない状況が長期間にわたり続いていました。そうした状況下で、10日間に及んだ今回の爆撃の間、農民が畑に行けなくなったり、漁師も漁に出ることを禁じられたため、新鮮な野菜や果物、卵や肉、魚などが流通せず、ガザ地区の食料事情は極端に悪化してしまっています。
PARCとUAWCでは当面の期間、こうした食料支援を続ける予定です。引き続き、パレスチナ・ガザ地区救援カンパへのご支援・ご協力をお待ちしております。
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