2021年12月16日から17日にかけてフィリピン中部地方を直撃した台風22号(以下、台風オデット)によって、民衆交易のバランゴンバナナやマスコバド糖の原料のサトウキビの生産者・関係者も大きな被害を受けました。詳細は、オルター・トレード・ジャパン(ATJ)のウェブサイトをご覧ください。また、下記の動画では、台風直後の現地の被害状況や生産者のインタビューがまとめられています。
こうした状況に対するオルタートレード・フィリピン社(ATPI)及びオルタートレード・フィリピン財団(ATPF)の要請を受け、APLAはATJと協議をし、まずは家屋が全壊・半壊してしまったネグロス島内の生産者の家屋の修繕のための支援を決定しました。
全壊の68軒には屋根材を10枚(5,000ペソ相当)、半壊の283軒には屋根材を6枚(3,000ペソ相当)がそれぞれ現物で配布される予定です。また、ボホール島のバランゴンバナナのパッキングセンターも大きな被害を受けており、その修繕費用の補助としての50,000ペソも支援内容に含まれており、合計金額からドイツのフェアトレード団体からの寄付金15万ペソをのぞいた110万ペソ(約250万円)をAPLA緊急災害支援準備金(※)より送金完了しています。支援活動の進捗については、現地から報告が届き次第、ご報告いたします。
なお、家屋への被害以外に、バナナやサトウキビ、その他の農作物や家畜への被害によって、生産者のほとんどは、当面の収入の見込みがなくなってしまいました。大変に厳しい状況です。私たちは、特に壊滅的な状況のバナナの生産復興が最大の優先課題だと捉えています。それが、何より生産者の生活を支えることにつながるため、とにかく早く苗の植付けを開始できるよう、またかろうじて残ったバナナへの施肥を進められるような支援と合わせて、生産者が生き延びるための当面の食料支援についても、その展開方法について協議を続けています。必要な支援額が莫大であるため、民衆交易を共に進めてきている生協・団体への協力の呼びかけを予定しています。
今後のさらなる支援についても、詳細が確定しましたら、またご報告いたします。
※2013年11月にフィリピンを襲った台風の被害に対してたくさんの寄付金を寄せていただきましたが、現地のキャパシティに見合った支援を考慮したことにより、2016年末時点で15,917,981円が残りました。これを今後の災害支援のために活用するためにAPLA緊急災害支援準備金を設置することを理事会で決定しました。