WHAT'S NEW?

2023年1月19日〜21日若手農民が地域に巣立っていっています

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降初めて、フィリピン・ネグロス島を訪問しました。カネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF-RC)では、2021年8月から22年7月まで研修生として過ごし、卒業後すでにそれぞれ自分の地域で農業に取り組んでいる9期生3人の卒業式が開かれました。

中央で証書を持っている卒業生3人。スタッフたちと一緒に記念撮影。

 卒業生のアレハンドロさん(22歳)は、「KF-RCでは養豚について初めて学び、多品目の野菜栽培についても学ぶことができた。両親はコメとトウモロコシを栽培しているが、それに加えて自分は、KF-RCで学んだ養豚と野菜作りをやりたい」と話しました。またアルヴィンさん(21歳)も「研修はとても充実していた楽しかった。いい経験・友達ができた。学んだことをカンドゥニでも続けていきたいし、今後もKF-RCの皆と接点を持ち続けてかんばっていきたい」と語りました。

メッセージを送るカルロス農場長。

それに対し、農業長のカルロスさんからは「とにかく諦めないで農業を続けてほしい。KF-RCで学んだことがうまくいかないこともあるかもしれない。困った時にはいつでも自分たちに連絡をくれれば相談に乗るし、自分だけで売り切れないものがあれば代わりにマーケットを探すこともできるから、とにかく諦めないで助け合おう。私たちの夢は、卒業生のみんなが自分の地域に帰って農業を続けていけることなんだ。そして3人には、地域の若者のいいモデルになってほしい」と力強いメッセージが送られました。

翌日、卒業生の一人のクリスチャンさん(18歳)の所を皆で訪問しました。畑と豚舎を見せてもらいましたが、豚舎建設に必要なものはセメント以外は自分で準備し(セメントは卒業時の支援として供与)、さらに2頭の豚も先輩卒業生のジョナンさんから自分で購入したとのこと。豚の餌にするトウモロコシも畑で栽培しています。同じく卒業時の支援で得た牛2頭を飼いながら、野菜も栽培しています。ご両親の家は近くにあるものの、豚舎の中の小さなベンチを使って寝泊まりしているそうで、友人たちに「こいつは人間よりも豚とばかりコミュニケーションをとっているんだ」とからかわれていました。今の目標は、豚舎の横に自分が暮らす小さな家を建てることだそう。ちなみに、クリスチャンさんの近所には、KF-RC1期生のレムレムさん、7期生のノイノイさんもいて、困った時にはお互いに相談したり助け合えたりするのがとても心強いと話していました。

きれいに世話された豚たち。

自分で栽培したトウモロコシを石臼でひいて豚の餌に。

今年2023年は10期生として新たな若者たちを受け入れられるように、スタッフたちが準備を始めています。また、研修生に限らず、地域の農民が集い、交流し、学び合える場としてのルーラルキャンパスの役割を強化していきたい、という話も出ています。引き続き活動に対する皆さまのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)