去る9月16日に、NPO法人アーユス仏教国際協力ネットワーク、NPO法人APLA、一般社団法人二本松有機農業研究会、そして株式会社Sunshineの共催で、福島県二本松市におけるソーラーシェアリングの見学会と交流会を開催しました。参加したAPLA事務局スタッフの報告です。
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今回の見学会&交流会の参加者は、これまでソーラーシェアリングの取組みを応援・支援してくださってきたパネルサポーターの方々、今年6月に開催した『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』上映会&トークに参加し、ソーラーシェアリングそのものや二本松有機農業研究会(以下、有農研)の取組みに興味を持った方々など、小学生、大学生を含む11名でした。
まずは、2018年夏に稼働開始した有農研のソーラーシェアリング1号機を見学しました。有農研代表の大内督さんの説明を受けましたが、参加者の皆さんが特に熱心に耳を傾けていたのは、立ち上げ時の苦労についてでした。また、FIT(固定価格買取制度)法、固定買取期間了後の対応から害獣の被害、メンテナンスの仕方など多様な質問が出ていました。
続いて、2021年にスタートした笹屋の営農型発電農場へ移動。6haの休耕地を整備した農場で、初めて見る皆さんは「うわー、広い!」とその広さや数多くのパネルが並ぶ景色に驚かれていました。こちらでは、まず昼食のバーベキューを。有農研の会員の皆さんが生産した季節の新鮮な野菜と、黒毛和牛の生産から販売までを行っている福島県飯舘村の精肉店の牛肉などを楽しみました。歓談のなかで、参加者の方の強い脱原発の思いやエネルギー政策への疑問、「初めて知ったことが多かった、もっと多くの人に知ってほしい」「これからも応援したいけど、何をしたらいいか」など様々な声があがりました。
バーベキューの後は、株式会社Sunshine代表取締役の近藤恵さんの説明を聞きながら農場をまわりました。「パネルがゴミになる」「作物が育たなくなる」などといった太陽光発電や太陽光パネルへ寄せられる疑問や心配を提示し、それに対する明確な答えから説明が開始されたことで、自然に話に引き込まれました。参加者の皆さんはメモをとったり、質問したり、充実した時間となりました。
まだ数は少ないものの、ソーラーパネルの下で大きくなってきたシャインマスカットなどのぶどうを少しずつ試食させてもらいました。そして、農場に行った時から皆さんが気になっていた2頭の牛のピピとポポ。草をあげたりさわったりして、癒されました。
ツアーの最後は、垂直営農ソーラーを見学。「話には聞いていたけれど、実際に見るのは初めて」という方が多かったようで、その姿に歓声が上がりました。縦型のパネルの柔軟性の高さに、これからの可能性を大いに感じることができました。
昼食交流時の歓談のなかであった「何ができるか」「どう応援したらいいか」という声に対して、今回、近藤さんからは、ぶどうの木のオーナーになるという新しいサポート制度が提案されました。長期間にわたって応援し続けること、考え続けること。震災から10年以上たち、思いが薄れつつあるなかで、とても大変なことです。今回のように現地を訪れたり、新しいサポート制度に参加したりすることで、楽しみながら応援できると感じました。参加者の皆さん、そして受け入れてくださった二本松の皆さん、ありがとうございました。
報告:福島智子(ふくしま・ともこ/APLA事務局)