カネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF-RC)では、2024年10月に研修を終えた10期生3人の卒業式をおこないました。卒業生のお母さん、おばさん、おばあちゃんたちも集まってくれた晴れ舞台。それぞれ卒業後からの4カ月ほど、どんな農業に取り組んできたか、これからどんなことをしていきたいかを発表し、スタッフたちからのコメントや(あたたかくもちょっと厳しい)質問に真剣に答えていました。
アトンとノノイの二人は、家族の協力を得ながら、動物の飼育と複数種類の野菜栽培に取り組んでいます。残るパトンは、研修修了後もKF-RCに残り、スタッフたちの農場の作業を手伝う形でOJTを続けています。
KF-RC代表のビビアンさんからは「AIの時代だと言われているけれど、土を耕して食べものを生み出す農民の役割はとても大きい。ここで学んだことをいかして、これからもがんばってほしい」と激励のメッセージが伝えられました。
卒業式の翌々日、一般社団法人BMW技術協会主催のツアーでネグロスを訪問された皆さんと一緒に、卒業生の一人であるノノイの家と畑を訪問しました。周辺はサトウキビ畑と水田が広がる地帯、トラックでかなりのガタガタ道をゆくこと、20分強。「私たちが研修卒業生のフォローアップに出かける時の大変さがわかったでしょう?」とKF-RC事務局長のエムエムさん。
卒業式に来てくれたお母さんとおばあちゃんだけでなく、お父さんとおじいちゃんにもお会いすることができ、お話を聞きましたが、皆、ノノイにとても大きな期待をしていることが伝わってきました。これまでお米を育てていた川の近くの土地で、これからノノイが野菜作りに取り組めるように、とおじいちゃんとおばあちゃんが川から水を汲み上げるためのモーターポンプを買ってくれたそうです。そうした期待に応えるべく立派なオクラと苦瓜の畑が広がっていました。
動物は、研修中に貯めたお金で購入した山羊を3頭、水牛を3頭(うち1頭はお父さんがノノイに譲り渡したもの)、そして50羽ほどの鶏を育てているそうですが、将来的には牛や豚も育てたい、と語っていました。
そしてKF-RCでは、次の第11期生の受け入れに向けて、スタッフたちが動き出しています。これまでの卒業生が暮らす地域や民衆交易の生産地を中心に(卒業した研修生が孤立せずに近隣の仲間と相談・協力しながら農業を営んでいけるように)候補者を推薦してもらい、その後スタッフたちによる候補者本人や家族のインタビューを経て、研修生が確定します。目標は5月頃の研修開始、次はどんな若者たちがやってくるか、今から楽しみです。
報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)
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