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2025年3月30日パレスチナ「土地の日」に寄せて(UAWCより)

2025年3月30日
パレスチナ農業開発センター(UAWC)

本日、そして毎日、パレスチナ農業開発センター(UAWC)は、私たちの土地とその守り人、すなわち労働と愛と抵抗によって土地を守ってきた揺るぎない農民、牧畜民、そして農村のコミュニティを讃えます。私たちは「土地の日」を記念し、私たちの土地を守り、地域社会を守り、私たちを抹消しようとする入植植民地勢力に抵抗するという揺るぎない決意を再確認します。

「土地の日」は、イスラエルの組織的な土地収奪に対するパレスチナ人の集団的蜂起を記念する日です。1976年3月30日、イスラエル占領によるガリラヤ地方の広大な土地の収奪に反対する大規模デモの最中に、イスラエル警察が6人のパレスチナ人抗議者を射殺しました。その時以来、闘いは激化の一途をたどっています。今日、イスラエルの入植植民地プロジェクトと民族浄化キャンペーンは、パレスチナの土地を収奪し、コミュニティを強制的に移転させ、パレスチナ全土で構造的抑圧を強化し続けています。

イスラエルの占領は、記録的なスピードで植民入植地のインフラを拡大しています。2024年には、過去20年間の合計よりも多くの土地を収奪し、さらに2025年はこの記録を上回る勢いです。2025年の最初の3カ月で、イスラエル政府はヨルダン川西岸地区で約1万2000戸の入植を承認しました。これは、2024年に承認された約1万戸をすでに上回っています。さらに、2025年に入ってから、イスラエルはすでに1万6000ドゥナム(16平方キロメートル)以上の土地を収奪し、13のアウトポスト(前哨地)を遡及的に合法化しました。イスラエル人入植者は、日常的にパレスチナ人の地域社会へのテロ行為を続けています。2024年末現在、植民地化・分離壁抵抗委員会は、ヨルダン川西岸地区とエルサレムに存在する180の入植地と256の前哨地に77万人以上の入植者が暮らしていると報告しています。これらの前哨地のうち、138カ所は農業または牧畜をおこなうもので、イスラエルの占領がいかに農業を土地収奪の道具として利用しているかを物語っています。2024年だけでも、イスラエルの入植者たちは51の前哨地を新たに設立し、そのうち36は牧畜をおこなうものです。

それと同時に、ガザ地区でイスラエルによるジェノサイド戦争が続くなか、ガザの人びとは、重要なインフラ、食料システム、生活の基盤を標的にした大量破壊と飢餓に耐えています。国連食糧農業機関(FAO)の報告によると、2024年末の時点で、ガザ地区の全農地の75%が被害を受け、なかでもガザ地区北部の農地は、84.1%と最も高い割合で被害を受けました。さらに、イスラエルによる占領は、食料、医療品などのいかなる人道援助もガザ地区への流入を妨げています。このように食料や必要な資源を戦争の武器として使用することは、イスラエルによるパレスチナ人に対する組織的暴力の特徴です。主要な農業インフラの破壊は、17年間の封鎖と相まって、ガザの人びとの自活能力を破壊しました。イスラエルの戦略には、ガザに飢餓状態を作り出すための食料の武器化が含まれており、これは、パレスチナ人を飢餓に陥れて抹殺することを目的とした、意図的で計算された残虐行為なのです。国連人道問題調整事務所(OCHA)の報告によると、ガザの人口の91%にあたる195万人が高レベルの深刻な急性食料不安に直面しており、そのうちの34万5000人は壊滅的レベル、87万6000人は緊急的レベル(注)の危機に直面しているといいます。

パレスチナ全土で、農民たちは最前線に立たされています。イスラエルによる占領が彼らの生計を故意に破壊し、土地や水にアクセスすることを拒否しているからです。しかし、こうした残忍な抹殺政策にもかかわらず、私たちは土地に根を張り続けています。私たちの土地は、私たちの過去であり、現在であり、未来です。私たちの歴史であり、アイデンティティであり、パレスチナ人の存在の基盤なのです。UAWCは、パレスチナの農業を守り、農民を支援し、解放への道のりにおける食料主権を培い続けます。私たちは、国際社会、市民社会、そして世界中の仲間に対し、パレスチナとともに立ち、イスラエルによる占領の終結を要求し、武器と貿易の禁輸を課すよう各国政府に圧力をかけ、正義を求めるパレスチナの声を増幅するよう呼びかけます。

土地をめぐる闘いは、解放のための闘いです。私たちから土地を奪おうとするあらゆる試みにもかかわらず、私たちは耐え忍んでいます。私たちは作物を植え、収穫し、再建します。私たちは回復力とスムード(不動の抵抗精神)をもって、自分たちの土地を守り、大切にすることに徹します−パレスチナが解放されるまで。そして解放された後もずっと。

日本語訳:NPO法人APLA

注:「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の定義によるフェーズ5が壊滅的飢餓、フェーズ4が緊急事態