なんだか小泉改革に逆戻りだなー。最近こんな話をよく聞く。管民主党政権のことである。経済のグローバル化とあらゆる部門の規制緩和を進めた小泉自民党の下で、貧富の格差が広がり、地域も、農業も、商店街も衰退した。人びとは、そうした政治を変えたいと願い、民主党に希望を託して政権交代を実現させた。しかし、現れた新政権がとっている政策は、自由貿易推進、そのための規制緩和、グリーン政策と称しての原発輸出、国威発揚とビジネス振興を狙った開発援助政策への先祖がえりなどなど。その集大成が、成長を政策の第一義におく民主党「成長戦略」である。こんなはずではなかったと怒る前に、まずは冷静に「成長戦略」なるものを点検してみよう。ここでは、自由貿易、原発輸出、ODAと開発政策の三つを取り上げてみた。
編集部:大野和興(農業ジャーナリスト)
【目次】
自由貿易と農業
……大野和興(農業ジャーナリスト)
「新成長戦略」と原子力推進の内実
……西尾 漠(原子力資料室)
援助の「先祖帰り」と「貧困削減」
……藤岡美恵子(法政大学非常勤講師/〈NGO社会〉の会)
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