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手わたしバナナくらぶニュース

2012年3月+4月No.211 福島の子どもたちに届けよう バナナ募金 ~Bananas for FUKUSHIMA Kids~

福島には未だ様々な要因で線量が高い地域で生活を送っている方たちがいます。子どもたちにはなるべく放射能汚染が少ない食べものを食べさせたいと願いつつも手に入れることが難しいという状況を受け、少しでも安心して食べられる食べものを届けようと、2011年11月より、バランゴンバナナを福島県内の幼稚園・保育園に送る『福島の子どもたちに届けよう バナナ募金』キャンペーンを始めました。このキャンペーンは3.11後に寄せられた海外の生産者たち(パレスチナ、フランス、東ティモール)からの募金、APLA/ATJに関わる皆さまからの募金、パッキングセンター、ATJの協力のもとに実現しました。

はじまりは生産者からの声

支援バナナを手にする生産者たち(ネグロス東州マンフヨッド)

震災後の5月、フィリピンのバランゴンバナナ生産者たちからバナナを送って被災地を支援したいという声が届きました。200人を超える生産者たちそれぞれが持ち寄ったバナナの総重量はおよそ3トン。『私たちは日本の皆さんにバナナを買っていただくおかげで貧困から立ち上がってくることができました。暮らしも少しずつよくなってきています。皆さんへの恩返しとして、今厳しい状況におかれている被災地の人びとにバナナをお届けします。私たちのささやかな気持ちをお受け取りください』というメッセージとともに届いた支援バナナは、ATJ関連団体(*1)の協力を得て、宮城、福島、岩手にある中学校や幼稚園、避難所、介護施設、仮設住宅に配られました。

その後、前述の通りの意図を以て継続することを決定し、つながりのある福島県内の保育園・幼稚園にバナナを届けることから始めました。紹介などで配送先は徐々に増え、2月上旬現在では14の施設、約1130人の子どもたちに週に一回バナナを届けています(*2)。

たくさんのバナナをありがとう

配送先のひとつである寺子屋を訪問。子どもたちにバナナの話をしてきました

バナナケーキやバナナジュースにして楽しみながらバナナを食べてくれている様子や普段の子どもたちの様子を、先生たちが電話やハガキで寄せてくれています。その一部をご紹介します。

  • 皆様のあたたかいお気持ちにとても励まされます。この地で生活することを決めて日々過ごしていますが、「緊急時避難準備区域」の指定が解除になっても何も 変わらないため、閉塞感や不安は拭えず、希望すら失ってしまいそうになることもあります。しかし、このような厳しい環境の中にあっても、園が再開でき子ど もたちの元気な姿と笑顔が園舎に戻ったことは大きな喜びです。
  • 当園では園社内外の除染を行い、一日30分以内の時間で外遊びも出来るようになりました。戸外遊びは短い時間でも、「気持ちいいね」と言いながら子どもたちは、約束を守って友だちと一緒に嬉しそうに遊んでいます。
  • 先週はおやつのバナナケーキにも入っていました。やはり食感がしっかりしていて一味違います。おかげさまで子どもたちも健康を支えられ、元気で過ごしています。保護者さんにもバランゴンバナナのことお報せしています。
  • 「雪だるま作りたい! 雪玉作りたい!」と言葉にしない子ども達……。長い間園庭で走りまわっていない子ども達のあきらめの心が悲しい日々です。そんな子 どもたちに安心・安全な食物は何よりのプレゼントです。0才児も2才児もぺろりと食べ、”おいしー”の声が聞かれました。

遊び方を工夫したり、支援を受けて広い放射線量の低い場所へ出かけたり、広い室内で思いっきり走ったりしています。日常の中で早く太陽の陽を浴びたいですね。4月にはその日が来るよう努力しています。

バランゴンバナナを介して築かれてきたフィリピンの生産者と日本の人びとのつながりが生んだこのキャンペーンは、顔と顔が見える関係の上に成り立つ民衆交易ならではの贈りものであると実感しています。

この「福島の子どもたちにバナナを届けよう・バナナ募金」のために、引き続き皆さまのあたたかいご支援、ご協力をお待ちしております。

募金受付の詳細についててはバナナ募金特設サイトをご確認ください。

*1 あいコープみやぎ、パルシステム、生活クラブ連合会、生活クラブ福島、大地を守る会
*2 発送は毎週ですが、週毎で配送可能な重量が決まっているため、各施設には不定期で送っています。